エーザイ株式会社様

人財開発本部 タレントディベロップメント部 松井 洋子様

エーザイ株式会社は、日本の大手製薬会社。ESGへの取り組み、及び国連が提唱しているSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)も推進し、日本の製薬業界をリードしています。

Mentor Forでは、2020年4月よりエーザイ株式会社において社外メンターによる1on1プログラムを導入。当初は、まずは小規模のパイロットからスタートし、その後、効果を実感いただき、組織長クラスを対象に本格導入しました。新任の女性組織長が、自信を持って職務を遂行し、新しい役割の中で成果を出しながら自分らしいリーダーシップを発揮できるような支援を行っています。

社外メンタープログラムを社内で推進した人財開発本部・タレントディベロップメント部の松井洋子様にMentor Forのサービス導入の背景、導入後の魅力や価値、そして今後のジェンダーギャップ 解消への展望に関してお話を伺いました。

  1. 社外メンタープログラム導入の目的
  2. 導入後感じた、社外メンターの魅力や価値は?
  3. 本プログラムによる変化
  4. ジェンダーギャップ解消への思い

社外メンタープログラム導入の目的

「意思決定層にいる女性の活躍推進の課題により明確に働きかける」という目的があります。

特に若い女性組織長の活躍の幅をさらに拡充させる目的です。

研修など様々な施策がある中で、あえて“社外メンター”を選んだ理由として非常に大きな魅力の1つとなったのは、「心理的安全性が担保されている」という点でした。

今回は組織長層がプログラムの対象でした。一般的に、「組織のメンバーに知られたくない」「他の組織長には相談しづらい」等の理由から、ポジションがある人ほど相談しにくい傾向があります。また女性には、男性には相談しにくい女性特有のイベント(出産、育児、健康の課題等)と責任ある仕事の両立の悩みも大きいと考えられました。そこで、社内のしがらみのない社外の方であれば心理的安全性が担保された中で相談できる場所をご提供いただけるのではないかと考え、MANABICIAさんの社外メンタープログラムを導入させていただくことにしました。

導入後感じた、社外メンターの魅力や価値は?

私自身がまずは導入推進役の立場として、実際に本プログラムを受講しました。その経験で言いますと、やはり社外のメンターということでとても大きな安心感がありました。また、私のことをとても真摯に受け止めてくださりました。

今までも社内に信頼できる相談相手はたくさんいましたが、一方で、頼っているようで頼りきれていないような、自身のキャリアは自身で考えるものであり、特に、管理職になってからは、管理職であるが故に本音を全てさらけ出してはいけないのではないかといった遠慮の部分がありました。社外の方との対話という安心感の中で、自分の全てをさらけ出せ、それを受け止め気にかけてくれる、そのような存在はとても心強かったです。「自分のことを考える時間で良いんですよ」と。

本来、日々の業務の中で自分の将来のキャリアについて考える時間を持って良いはずですが、つい目の前の業務に精いっぱいになってしまい、「自分は将来どうしていきたいのか」ということに思いを馳せる時間を取ることは、多くの人にとっても難しいのでないでしょうか。今回、社外の方と話す時間を定期的に作ったことにより、キャリアを考える時間を日常のなかで持てたことは、私にとってはかけがえのない、大きな財産となりました。

また、MentorForの社外メンターの方は、経験豊かで、コーチング的な要素だけではなく、その多様な経験からティーチングをしてくれます。そのバランスがすごく素晴らしい。メンターへの教育がしっかりしている点も、MentorForの大きな一つの特徴だと思いました。

自分の中で考えなくてはいけないことはきちんとコーチングで引き出してくださいますし、自分に足りない視点はさりげなく教えてくださり、そこからヒントを得てまた自分の中のものを見つけ出す旅に出ることができました。

本プログラムによる変化

とても大きな変化が、「マインド」「パフォーマンス」ともにありました。

マインド面では、「自らが何かを発信しなければいけない」という気持ちに切り替わりました。

それまではどちらかと言えば、与えられている管理職の役割期待に対して応えることに一生懸命だった気がして、振り返ると「(自分は)受け身だったな」と感じます。

社外メンターとのセッション後には、「自分から示して何かを掴み取っていく」といったマインドセットに大きく切り替わりました。

パフォーマンス面も変化がありました。メンターが、私の強みを的確に教えてくださっていたので、自己の強みを認識しながら「それを実業務でどのような提案につなげていけるのか」ということに意識的に反映させるようになり、結果、自らの強みを活かした提案数も増え、提案内容の採用率も上がるようになりました。

ジェンダーギャップ解消への思い

正直言いますと、私自身は女性・男性という区別はしたくないのです。ですから、その中であえて“女性管理職”とカテゴライズされて呼ばれてしまうところに、女性は肩の荷がズシッと来るという部分もあると思っています。だからこそ、自社の女性活躍推進の施策を通じて、“I can be me” (=あなたのままでいい)ということを伝えたいという強い思いがあります。

女性の中には、これから管理職になり、プライベートでは結婚、出産という道を歩むことに不安になる方もいるかもしれません。しかしその中でも「どのようなライフイベントがあったとしてもあなたらしくしていて良いんだよ」ということを、特に自己肯定感が低いと言われている女性に、まずは伝えていきたいですね。

自己肯定感については、本来性別を問うテーマではありませんが、女性の方が比較的自己肯定感が低いと言われています。また、まだまだ日本においてライフイベントがキャリアに与えるインパクトが男性よりも女性のほうが大きい現状にも鑑み、女性を優先的に対象としました。

将来的には、女性・男性・年齢かかわらず、本当に皆さんのそれぞれの能力が開花できる、認め合える、尊敬し合える、そんな行動がシームレスに行われる職場にしていくことを、ゴールとしています。

エーザイ株式会社