ENEOSトレーディング株式会社
ENEOSトレーディングは、石油業界で国内最大手であるENEOSグループの一員として、サービスステーション向けにカーメンテナンス商品などの販売・企画を行う専門商社です。全国各地に支店を構え、381名(2021年3月31日現在)の社員が在籍しています。
同社ではこれまで「女性活躍推進行動計画」を策定し、性別の枠組みを超えて全ての社員が活躍できるよう取り組んできました。
掲げた計画を本格化させるために、2021年6月よりMentor Forの社外メンターによる1on1メンタリング、ロールモデル講演をリーダー候補の女性社員向けに、ダイバーシティマネジメントプログラム(女性社員育成編、無意識バイアス編)を管理職向けに導入予定です。導入の背景と今後の展望について田畑社長に聞きました。
Mentor Forのサービス導入背景
ENEOSトレーディングでは、2016年4月1日に施行された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づき、「女性活躍推進行動計画」を策定。
女性社員が少ないポジションへの採用・登用、ロールモデル育成に取り組んでいます。また、女性社員に限らず全従業員のワークライフバランスを実現するため、育休・介護休暇や有給休暇の取得促進、在宅勤務制度やフレックスタイム制の導入など、制度面を整えてきました。
しかし、2020年度実績の女性管理職比率は2%。目標を掲げつつも、なかなか達成できておりませんでした。女性社員からは「制度はあるけれど、キャリアパスの問題はあまり解消されていない」という声も。石油業界はもともと男性が圧倒的に多いとはいえ、能力も可能性もある女性社員が管理職に登用されていないのは、見えていないジェンダーバイアスや壁があるからではないかと思っていたのです。
Mentor Forの選定理由
「社外メンター」の導入を検討したのは、これまでの取り組みの過程で感じていた二つの課題をクリアできると考えたからです。
課題の一つは、男性のリーダー・管理職のダイバーシティへの理解不足や無意識バイアス。もう一つは、現状では女性社員に寄り添えるマネジメントができていないこと。
そこで、社内全体の意識改革を行うためには、社外から知見を借りる必要があると感じたのです。女性社員に対しては、キャリアの専門家の方というよりは、実業での経験を積んだ方にサポートしてもらいたい。その点でMentor Forには、実務家としての経験が豊かで、プロとしてメンタリングスキルも有する魅力的な女性メンターの方が揃っていました。また、問い合わせの段階から迅速に対応いただき、メンタリングとコーチングの違いなども丁寧に説明していただくなど、安心感を持てたことも大きな理由の一つでした。
Mentor For導入の効果
2021年6月より、女性社員だけでなく社内全体の意識改革に向けてMentor Forのサービスを導入予定です。
まずは、2021年度に導入した、早期のステップアップを目指す社内のチャレンジ制度に手を挙げた女性社員10数名に対する以下の施策。
- 半年間の社外メンターによるメンタリングセッション
- 社外メンターによるロールモデル講演
そして、管理職向けに2種類のダイバーシティマネジメントトレーニングを実施予定です。
- 女性社員育成のポイントを学ぶ「女性部下育成編」
- 無意識バイアスによるビジネスや人材育成・登用への影響を学ぶ「無意識バイアス編」
期待する変化は大きく二つあります。まずは、メンタリングセッションを受けた女性社員たちが一段上の視点を得て、何かしらのチャレンジを起こしてくれることです。今回のプログラム対象者は全女性社員の20%ほど。彼女たちに社内でのステップアップを実現してもらい、あとの女性社員たちにもぜひ続いてほしいと思っています。
また、男性管理職にはダイバーシティ推進への当事者意識をもってもらうことを望みます。社内の男性比率が高いこともあり、組織の多様性がビジネスにもたらす影響力について学び、今まで知らず知らずのうちにもっていた自分たちのバイアスに気づくきっかけにできれば嬉しいですね。
Mentor Forの皆様には、伴走いただく中で社内の課題や阻害要因をどんどんご指摘いただけたら。経営層としても、問題を可視化して取り除いていきたいと切に考えています。
今後の展望
石油業界は非常に伝統的なビジネスモデルです。私が入社して40年以上経った今も、商慣習は大きく変わっていません。ですが、社会の変化や環境問題が大きく関係する事業でもあるため、会社として今後の意思決定はますます重要になってきます。その意思決定において、組織やマネジメントの多様性は必要不可欠だと考えています。
そして、会社が持つ最大の資産は、やはり「ヒト」。今後の採用活動においても、ますます“多様性”はキーワードになってくるでしょう。例えば「女性が活躍しています」「産休・育休など制度が充実しています」といくら会社パンフレットで謳っても、現場で実際の活用を推進・実行しつづける人がいなければ、建前だけになってしまい意味がありません。より多くの優秀な「ヒト」を惹きつけていくためにも、本気で女性活躍を推進していきます。
女性活躍、その先のダイバーシティ&インクルージョンを推進することが、働く人にとって、そして経営において必ずプラスの影響をもたらすと確信しています。