株式会社カナオカホールディングス
食品を中心としたフィルムのパッケージを製造する株式会社カナオカホールディングス(以下、カナオカ)。創業70年以上の歴史を誇り、包装資材業界のリーディングカンパニーである同社はいま、ビジネス環境の変化や人材の流動性の高まりを肌で感じ、経営戦略としてD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を大きく掲げています。
その中でも、同社が「D&Iの肝となる取り組み」と位置づけたのが女性活躍推進に関する施策です。2020年より、Mentor Forの社外メンターによる女性社員向け1on1メンタリングサービスを導入いただいております。管理本部長の岸本一郎様・人事総務部 主任であり社内メンティ(=メンタリングで相談する立場)2期生の白坂萌様に、導入の背景や目指す姿を伺いました。
Mentor Forのサービス導入背景
岸本様(以下、敬称略):自社内にデザイン・製版・配送部門を有し、工場で印刷から製袋までの全ての工程を完結できる点が当社の強みです。さまざまな職種の社員が一丸となり、真心を込めてものづくりを行っています。
2021年5月より、当社では経営戦略としてD&Iに取り組む方針を打ち出しました。目指すのは、「多様な人材がいきいきと働き、活躍してもらえる会社」です。
当社の自社工場では、ベトナム国籍の方をはじめ約40名の外国人従業員の方に従事いただいています。また、ここ数年、新卒採用において女子学生の方からの応募比率が大幅に増加しました。
多様なバックグラウンドを持つ方々の受け入れ機会が増えている中、社内にいる管理職約90名のうち女性はまだ数人のみだというのが現状です。これまで以上に、ジェンダーや国籍によらず、だれもが同じように働きがいのある環境をつくっていくことが急務であると考えました。そのような問題意識から、D&Iを経営方針の一環に据えたのです。
Mentor Forの選定理由
岸本:Mentor Forにお願いしたいと思った一番の決め手は、多様なキャリアやライフイベントの経験を持つ社外メンターの方々が豊富に揃っていらっしゃる点です。社内のメンティ対象者の全員と面談の上、一人ひとりに合った社外メンターの方をマッチングしていただけました。その丁寧なプロセスに「社員が抱える個別の悩みに対応してもらえそうだ」と、大きな安心感がありましたね。
カナオカでは、2030年までに管理職の20%を女性に担っていただける会社にしたいと目標を掲げました。その中で大きな課題の一つだったのが、社内にロールモデルが不足していたことです。プロフェッショナルなメンタリングスキルを有する社外メンターの方にお力添えいただけるのは非常に心強く感じました。
Mentor For導入の効果
岸本:2020年の夏より、Mentor Forの社外メンターによる6ヶ月間の個別メンタリングコースを導入しています。メンティ(相談する側の社員)対象者は、将来ぜひ管理職を目指していただきたいと期待を込めて会社から指名をいたしました。2期目が終了し、これまでに10名の女性社員がメンタリングを受けたところです。
メンタリング実施前には、正直に言うと「メンタリングがどのように役に立つのか?」「本当にキャリアの悩みが解消されるのか?」と疑問の声も聞かれました。ですが、回が進んでいくごとに「ささいな不安や心配事も本音で話せる場だ」という安心感が芽生えたように感じます。コースの終盤には、メンティである社員の皆さんから非常に高い満足度を得られました。
やはり、これまでは社内で業務の相談はできても、ライフイベントを含めた中長期的なキャリアに関する相談はなかなかしづらかったのだと思います。一歩先をゆく人生の先輩として、社外メンターの方々からアドバイスをいただける機会は貴重だったという声が多数寄せられました。
メンタリングによる変化
白坂様:私自身は差し当たって大きな悩みはなかったのですが、メンタリングは想像以上によい時間となりました。良かった点は大きく3つあります。1つは、自分の経験や思考の棚卸ができたことです。今までやってきたことを言語化する中で、振り返りの場になっただけではなく「次はこんなことにチャレンジしたい」という前向きな気持ちも自然と芽生えました。
2つ目は、社内でのつながりが深まったことです。私は中途入社なので今まであまり他部署の方と交流がなかったのですが、メンタリング初回に実施されたキックオフを機に顔見知りになれて、社内電話でお電話した際などに軽いやりとりが生まれるようになりました。女性社員同士で横の繋がりが持てたのも、とてもよかったです。
3つ目は、メンターの方との対話によって「自信」をもらえたことです。自分が弱みだと感じていた点を、メンターの方から「こういう視点から見ると強みでもあるよ」とおっしゃっていただけたことがあって。今までにない新たな気づきをもらえて、自信につながりました。「私も後輩から相談を受けた際は、こんなフィードバックをできるようになりたい」と目標もできました。普段の業務時間内でここまで自分のキャリアについてお話しできる機会がなかったので、本当に貴重な経験をさせてもらえたと感じます。
今後の展望
岸本:能力のある人がどんどん手を挙げて個性を発揮していく。ある意味で「当たり前」のことができる会社になっていきたいと思います。
とはいえ、やはり女性の方はライフイベントがキャリアに影響をもたらすことも少なくありません。まずは声が上げやすい、働き方やキャリアの相談をしやすい環境をつくるために、社内でのメンター制度も整えていきたいと考えています。
人材の流動性がますます高まる今の時代。今後、海外市場への参入や新規事業の展開を考える上で、人材不足は会社として大きなネックになり得ます。カナオカは、社歴や年次、職種の垣根なく、社員それぞれが自らやりたいことに手を挙げてもらいやすい柔軟に活躍できるフィールドを提供したい。会社がどんどん個の成長をバックアップしていく存在になれたらと思っています。
女性活躍の取り組みは、社員の柔軟な考えや成長意欲を引き出す第一歩です。Mentor Forには、これからも社内メンター制度の構築など、さまざまな場面でサポートをしていただけたらうれしいです。D&Iに共に取り組むパートナーとして、末永いお付き合いを期待しています。