【メンター×メンティ対談】タスクで埋まる日々から、自分自身を見つめる時間を持つことで変化したキャリア観
日々の育児や仕事に追われ、今後のキャリアを考える時間がなかなか取れないという方は少なくありません。そのうちに「自分はこのままでいいのだろうか」「今の環境で仕事を続けることがベストなのだろうか」と、現状や未来に対する漠然とした不安を抱えてしまいがちです。
Mentor Forでは、社外メンターによるメンタリングプログラムの提供を通じて、一人ひとりの悩みに伴走し、前向きかつ自律的にキャリアを形成するための支援を行っています。
今回は、支援先であるマーサージャパン株式会社でメンティ(=メンタリングで相談する立場)を経験した照山恵梨さんと、Mentor For公式メンターを務める窓岡順子の対談形式で、メンタリング前に感じていたモヤモヤをどのように解消していったのかを伺いました。
Mentor Forの社外メンターへの期待
照山さん:私は、新卒からずっとコンサルティング業界で経験を積んできました。現在は組織・人事領域のコンサルティング部門にて複数のプロジェクトを統括するほか、社内メンバーのマネジメントや部門内の採用・人事なども担当しています。
メンタリング開始前は、ちょうど今後のキャリアプランに対して漠然と悩んでいるところでした。今の仕事内容や環境にはまったく不満を感じていないものの、実は「事業会社の人事職として働いてみたい」という気持ちが以前からずっとあって。ただ、まだ幼い子どもがいる中で今が環境を変えるベストなタイミングなのか……とモヤモヤしていましたね。
そんなときにメンタリングの機会を得て、社外メンターの窓岡さんと、まずは今の状況などをフラットにお話しさせてもらったんです。
窓岡:最初にお会いしたとき、ご多忙ながらも仕事が充実していらっしゃる様子がうかがえました。キャリアに関するお悩みは「今すぐ行動に移したい」という温度感ではなかったので、メンタリング前半はお互いのことを知りながら、関係性を深めていくようなフェーズでしたね。
照山さん:まさにそうですね。私はどちらかというと、人と話してアイデアを発散させながら思考を深めていくタイプ。メンタリングで窓岡さんにさまざまな角度から問いかけをもらうことによって、自分の中にある本質的な課題に近づいていったように思います。
メンタリングを受けた感想
照山さん:まず、メンタリングによって「自分自身のことを考える時間」を確保できることに最大の価値を感じました。
今後のキャリアに対して漠然とした悩みはあったものの、つい目先のやるべきことに追われ、何もできないまま時間だけが流れていってしまっていたんです。そんな中、窓岡さんが「『英語を使った仕事がしたい』という希望を、きちんと会社に伝えてみてはどうか」と言ってくださったことがありましたよね。とても印象に残っています。
窓岡:セッションを重ねるうちに、照山さんから何度もお話が出てくるトピックが2つあったんです。
それは、「事業会社での人事職を経験してみたい」「英語を使った仕事がしたい」という内容でした。メンターの私からは、照山さんが今後のキャリアを描くうえで外せないキーワードだろうと思ったんですよね。上司の方に率直にお伝えしてみることで現状が良い方向に進むのではないかと考え、そう提案しました。
照山さん:これまで上司にはキャリアの希望をはっきりと示しているつもりだったのですが、「自分自身の意思を伝える」ことがあまり得意ではないのかもしれないと、そのとき気が付きました。
私は、もともと「周りから求められる期待に応えたい」という気持ちが仕事のモチベーションへとつながりやすいんですよね。メンタリングを通じて、「自分がどうしたいのか」を見つめ、改めて言語化する機会が得られたと感じます。
メンタリングを受けて感じた変化
照山さん:一番変化したのは、時間の使い方です。これまでは社内外のミーティングや事務処理、育児の時間などで1日があっという間に過ぎていました。
そこから、どうすれば余白を捻出できるかを考え、自分自身のことを考える時間や英語のレッスンを受ける時間を前もってブロックするようになったんです。とても良い習慣を身につけられたと感じています。
窓岡:照山さんは、自分自身を今まで以上に大切にされるようになったと思います。いつも目の前にあるお仕事をフルパワーでさばいていらっしゃるので、なかなか振り返りのための時間が取れなかったのではないでしょうか。
けれど、最近はメンタリングの場でもプライベートや今後のキャリアでご自身がどうしたいかを語る場面がとても増えましたよね。考えるだけではなく、具体的なアクションに移したり、周りにも言葉で伝えたりできるようになったのは素晴らしいなと感じます。
照山さん:これは自分の努力だけで実現できたわけではないのですが、去年まで部内で人事業務を担当していた方が退職され、私がその業務を引き継ぐことになりました。「事業会社で人事職をやってみたい」という思いと、偶然にも重なる領域でのチャンスをいただけたんです。
自分のやりたいことに自覚的になれたからこそ、このチャンスを前向きに受け入れられたと思います。また、キャリアの希望を叶えるには、転職だけではなく、今の環境にいながら実現する方法もあるのだと気づくきっかけにもなりました。
窓岡:ご自身の希望が明確になると、いざチャンスが目の前に現れたときに掴み取れる可能性がぐっと高まるのは事実だと思います。照山さんがしっかりと向き合ったからこそですね。
今後の目標
照山さん:先ほどお伝えした「自分自身を考える時間」の確保は、これからも続けていきたいですね。自分がどうありたいのか、またはどういう状態が好ましくないと感じるのか。しっかりと認識して、理想に向けての具体的なアクションを一つひとつ取り組んでいくことが未来につながると考えています。
窓岡:これは他のメンティの皆さんにもお伝えしているのですが、「やりたいこと」といっても、壮大で立派なものを掲げなくてもいいんですよね。日常生活の中に、ご自身の「好き」が潜んでいたりしますから、どんなにささいなことでも、まずはそれを大事にしてもらいたいなと思います。
照山さん:窓岡さんとのメンタリングで、一つひとつやりたいことを叶えながら、キャリアの充実度も高めていけるという前向きな自信がつきました。今後も、小さな一歩を積み重ねていきたいと思います。