解熱鎮痛薬シリーズ「EVE」を手がけるエスエス製薬。男女雇用機会均等法が制定された1985年に誕生した「EVE」は、
新たな挑戦に向かう女性の痛みを取り除くことを目指し、立ち上ったブランドです。
そのチームが2024年3月8日の国際女性デーに合わせて発表した「BeliEVE Project」は、身体的な痛みに寄り添う製品を届けてきた
ブランドとして、「女性が抱える“見えない痛み”にも向き合いたい」との想いから始まった女性支援の取り組み。
プロジェクトの始動とともにローンチした対話型×生成型AIツール「BeliEVE Your Voice AI」、そして独自のメンタリングケアセット「BeliEVE Mentoring Program」の構築・運用へと活動は広がりを見せています。
今回は、プロジェクトの背景や、ウエルシア薬局と協働する「BeliEVE Mentoring Program」におけるMentor Forとの関わり、
導入後の効果について、EVEアシスタントブランドマネージャーの平川梨絵様に話を伺いました。
- 「身体」だけでなく「社会」の痛みに目を向ける(開発の背景)
- ロールモデルの不在が示した、「対話」の必要性(Mentor Forの選定理由)
- 想いを組み込み、独自性高く実践しやすいプログラムに(導入の効果)
- “つくって終わり”にしない 生きたメンタリング施策に(今後の展望)
「身体」だけでなく「社会」の痛みに目を向ける(開発の背景)
「BeliEVE Project」の出発点は、「EVE」ブランドを担当するチームの内発的な問いでした。
平川様(以下、敬称略)
「女性の社会進出が拡大する中、自分が持つ本来の力を発揮できるよう、頭痛や生理痛といった身体的な痛みから解放することを
ミッションに、『EVE』は1985年の誕生以来、歩み続けてきました。
一方で、女性が抱える痛みには、目に見えない“社会的な痛み”が存在しているのではないか、痛みに寄り添うブランドとして
“見えない痛み”にアプローチしてこそ、本当の意味で女性を支えられるのではないかと考えたのです」
キャリアとライフイベントの両立、無意識のバイアス、先行き不透明なキャリアビジョン……。そうした、女性を取り巻く目に見えない社会的な痛みは、放置すれば挑戦を阻む大きな要因になるのではないか。
そこで「BeliEVE Your Voice AI」を通じて、さまざまな女性たちの声をすくい上げたところ、浮き彫りになったのは“10年の壁”と
“ロールモデルの不在”でした。
平川
「調査で見えてきたのは、『性別によってキャリアを諦めた』と捉える女性が男性より圧倒的に多く、その差は10年目を迎えると
拡大することでした。ライフステージの変化が起こりはじめる5年目からキャリア形成の難しさに直面し、産休・育休や
時短勤務といった制度が整えられていても、活用しにくい環境によって理想のキャリアをいつしか諦めてしまう。
女性の社会的な痛みには複合的な課題が絡み合いますが、根本にあるのは女性管理職が少ないことでキャリアの悩みを相談できる相手が
いないこと、ロールモデルとなり得る存在が身近にいないことではないかとの考えに至りました」
ロールモデルの不在が示した、「対話」の必要性(Mentor Forの選定理由)
身近に“こうなりたい”と思える存在がいなければ、自分の未来も描きにくくなり、未来像が曖昧なままでは挑戦するエネルギーも
生まれない。
必要なのはモヤモヤとした感情を言語化し、解決へと導くきっかけをつくり出す対話の場ではないか。こうした気づきが起点となり、「BeliEVE Project」にメンタリングプログラムが組み込まれることになりました。
平川
「多くの企業でメンタリングは導入されていますが、実際にはマッチング後は当人の力量に任せるケースが多く、メンタリングの質に
ばらつきがあるという課題が見えてきました。誰でも同じレベルで有意義な対話ができる仕組みが必要だと感じ、テーマ設定や
進行ポイントまで構造化した独自プログラムの開発に踏み切りました。さらにBeliEVE PROJECTを通じて浮き彫りになった、
女性が直面しやすい『 社会人5年目の分岐点』 や『 10年目の壁』 の課題に寄り添い、キャリアの一歩を後押しできるプログラムとして
形にしたのが『 BeliEVE Mentoring Program』 です」
「BeliEVE Mentoring Program」の構築にあたって重視したのは、メンターとメンティーが共に迷うことなくメンタリングを
進められるようにした点だといいます。
平川
「私自身も経験がありますが、メンターもメンティーも初めての場合、メンタリングの際に何を話せばいいのかわからず、取り組みの
意義が薄れてしまいます。そのため、女性管理職の育成において実績のあるMentor Forさんに、現場で実践できるアクションに
落とし込むプログラム開発の監修をお願いしました」
想いを組み込み、独自性高く実践しやすいプログラムに(導入の効果)
「BeliEVE Mentoring Program」の特徴は、プログラム実施前後にMentor Forによる研修を設けたうえ、メンターとメンティー、
メンティーの上司に向けてそれぞれ専用のマニュアルを用意したこと。これにより、メンターとメンティーが迷わずメンタリングを
進められるようになりました。
平川
「このプログラムは全6回で構成されています。各回のゴールと、そのゴールに結びつく質問項目を設定しマニュアル化しました。
また、事前研修によって基礎を理解した上でメンタリングに臨んでもらうことで、メンター初心者も自信を持ってアドバイスできるように。
プログラムの開発過程では、『BeliEVE Project』で大事にしている“自分を信じる”ためのマインドセットをいかに反映するかが大きな
ポイントでした。Mentor Forさんが想いをしっかり汲み取りマニュアルに落とし込んでくださったおかげで、独自性のあるメンタリング
プログラムになったと思います」
女性店長比率30%を目標に掲げるウエルシア薬局での導入においては、既存の女性店長の中からキャリアアンバサダーを認定し、
女性店長候補社員との「BeliEVE Mentoring Program」を実施。
Mentor Forによるメンター向けのキックオフ研修では、キャリアアンバサダーの女性たちが自身のキャリアの棚卸しをおこない、
参加者からは「“自分の強み”を知る良い機会になった」との声が聞かれたそうです。
メンタリングを正しく理解することが導入後の効果に大きな影響を与え、そしてそれはメンティーだけではなく、メンターへの効果
としても波及するのを、平川さんも実感したといいます。
平川
「私たちだけでは、“ロールモデルの不在が女性活躍推進を妨げる一つの要因である”というところまではたどり着けましたが、
アクションに結びつけるノウハウはなく、Mentor Forさんに監修いただいたことにより、課題解決への具体的な提案として
『BeliEVE Mentoring Program』を形にすることができました」
“つくって終わり”にしない 生きたメンタリング施策に(今後の展望)
「BeliEVE Mentoring Program」がスタートしてから一年。エスエス製薬とウエルシア薬局では全6回のプログラムが終了し、
メンティーとして参加した社員からは、「男性の多い部署でキャリアについて相談できる存在がいなかったが、女性の先輩社員と話す
機会を得て参考になることがたくさんあった」など、ポジティブな反応が見られたといいます。
また、ウエルシア薬局では、15名のメンティーのうち3名が店長に就任。活躍する女性店長との対話を通じて、働くイメージが湧いた
ことが安心につながったようで、“女性社員の店長志望率向上”という目標に対する一定の効果を感じているそうです。
また、「BeliEVE Mentoring Program」をきっかけに、「BeliEVE Project」自体が社会的な反響を呼びました。
平川
「ビジネス系のメディアから取材依頼があるなど、取り組みへの関心の高さがうかがえました。特にウエルシア薬局様との協働に
関しては、お取引先とメーカーという従来の垣根を越え、人事制度まで踏み込んだ関係性の構築という点が、新しく興味深いとの声を
数多く頂いています」
今後は「BeliEVE Mentoring Program」をより多くの企業、または企業に属さない女性に向けて展開することを検討していると
いいます。
平川
「“ロールモデルの不在”という女性活躍における社会的な課題に対処していくうえで、企業をはじめ、個人でもメンタリングに
参加できる仕組みを整えていきたいと考えています。
それには、抱えている悩みに応じたプログラムのチューニングが必要です。メンタリングのプロであるMentor Forさんに支援いただき
ながら、生きたメンタリングプログラムを提供していきたいと思います」
エスエス製薬とウエルシア薬局での取り組みにおいても、各回のレポートをもとに進行方法の微調整や事後研修を追加するなど、
Mentor Forが状況に合わせた提案をおこない、プログラムのブラッシュアップを続けました。
つくって終わりにするのではなく、女性たちの“見えない痛み”を和らげる、効果を伴う取り組みにする。
40年にわたり女性に寄り添い続けたエスエス製薬だから実現できる「BeliEVE Mentoring Program」の今後にご注目ください。