豊田通商株式会社

(写真左から)人事部グローバルD&I推進グループ 中井様、グループリーダー 横山様

トヨタグループの総合商社として、7つの事業領域で展開する豊田通商株式会社。国内外の各地に拠点を構え、連結社員数は6万人を超える有数のグローバル企業です。

同社では、DE&I(ダイバーシティ・イクイティ&インクルージョン)を経営戦略として推進し、社内フォーラムや管理職向けの意識啓発セミナーの実施などさまざまな取り組みを行ってきました。

また、女性リーダー育成施策においては、キャリアの視野を広げてもらうことを狙いに、2016年3月期より部長クラスの役職者がメンターを務める「社内メンター制度」を導入。さらに2021年3月期からは、Mentor Forによる社外メンターとのメンタリングプログラムも開始し、女性社員の多様なキャリア形成に向けた支援に伴走しています。

社内外のメンタリング実施による相乗効果や会社の目指す未来を、人事部グローバルD&I推進グループのグループリーダー 横山様、中井様に伺いました。

  1. Mentor Forのサービス導入背景
  2. Mentor Forの選定理由
  3. Mentor For導入の効果
  4. 今後の展望

Mentor Forのサービス導入背景

横山さん(以下、敬称略):豊田通商では、多様な社員がいきいきと働ける環境づくりのため、全社のDE&I理解浸透、個人のキャリア支援や組織全体の働き方改革などに取り組んできました。

そんな中、女性活躍推進の手段の一つとして「社内メンタリング」を2016年3月期から開始し、現在も継続中です。施策については、メンティが当社で管理職となるにあたっての具体的なイメージ/アドバイスや本部を超えた繋がり/支援者を得たり、メンター側も多様なマネジメントスキルが向上するなど一定の効果を感じています。しかし課題もありました。メンターを務める部長クラスの役職者はほとんどが男性。そのため、メンティである社員が抱えがちな、女性特有のライフイベントによる悩みや壁の解消が難しいケースもありました。また、「社内でロールモデルがいない、見つけづらい」という女性社員の意見も挙がっていました。そこで、女性メンターによる社外メンタリングを並行実施してはどうかと検討するようになりました。

Mentor Forの選定理由

中井:Mentor Forとご一緒したいと思った理由は、大きく二つあります。

一つ目は、代表の池原さんをはじめMentor Forスタッフの皆さんから、DE&I、特にジェンダーギャップ解消への強い想いを感じたこと。事前相談の段階から、とても議論が盛り上がったのを覚えています。私と横山も、人事部として日々組織や社員に向き合っている中、Mentor Forの事業に対する姿勢に深く共感しました。

二つ目は、多様かつ豊富なキャリアを積んできた社外メンターの存在に心強さを感じたことです。現在、当社は8つの本部で構成されており、向き合う顧客や業界はそれぞれ多岐に渡ります。それゆえに、女性社員を取り巻く就業環境や、仕事の中で生まれる悩み、キャリアの描き方もさまざまです。多彩なご経歴を持つMentor Forの社外メンターの皆様になら、女性社員一人ひとりの悩みにきめ細やかに寄り添っていただけるのではないかと期待しました。

Mentor For導入の効果

中井:2021年3月期より、各本部の女性社員を対象に、Mentor Forによるグループメンタリングと1on1を実施しております。

現在、メンタリングプログラムの第2期が終了しましたがメンタリング後に実施したアンケートでは、「中長期のキャリア展望」「リーダーとしての自信」など、複数の回答項目のスコアに上昇が見られました。今後のキャリアに対して、前向きな姿勢を育む手助けの一つになっていると言えるのではないでしょうか。

「メンタリングによって思考が整理されて、次にやるべきことが明確になった」とのコメントも多く集まりました。仕事内容や家庭の状況、将来に対するさまざまな不安や悩みが絡み合い、どうすればよいかわからなくなってしまう。そんな悩みを抱える社員は少なくありません。

社外メンターの方々がじっくり向き合ってくださったからこそ、そういったモヤモヤが一つひとつ解きほぐされていったのだと思います。意識や行動の変容に、メンタリングは非常に効果的だと感じました。メンタリングでの気づきを通じて、本人の意思決定や選択の後押しができていればうれしいですね。

横山:当社では、「2026年3月期までに女性管理職比率10%以上」という目標を掲げ取り組みを行っているところです。ただ一方で、管理職になることだけがキャリアの選択肢ではないとも思っています。

社外メンターによるメンタリングを通じて、女性社員が自律したキャリアを選択できるような支援を行う。その中で管理職比率も結果として高まってくる。こうしたプロセスが重要なのだと実感しているところです。

今後の展望

中井:最終的には男性、女性ということではなく、女性活躍という言葉を使わなくても良くなることがゴールだと考えています。そのために先ずは女性がキャリアを積んでいく上での阻害要因や課題の解決に一つずつ取り組んでいく。そうすることで社員一人ひとりの自分らしい働き方、自身が望むキャリアや活躍の形の実現が可能となっていくと思います。

全社にメンタリングの輪を広げ、お互いに成長し合える。そして一人ひとりが自律的にキャリアを描けるようにエンパワーし合える。そんな良いサイクルを生み出していきたいですね。また、メンタリングを受けた社員が次は社内メンターとなって、後進のサポートをしてくれることを期待しています。そのためにも、会社側として惜しみなく支援をしていくつもりです。

Mentor Forの皆様には、これからもDE&Iに関わる取り組みのパートナーでありながら、第三者的な視点からのさまざまなご意見やアドバイスを期待しています。

横山:これまで日本では、男性主体で社会が構成されていました。ですが現代社会においては、マジョリティとされる価値観だけを持って事業を営むことに、大きな危機感を抱いています。DE&Iの取り組みは、経営戦略の観点でも非常に大きな意味を持つと感じています。

多様な個性を持つ人が、“自分らしさ”を発揮しながら活躍するのが当たり前の状態に。実現に向けて、これからもMentor Forの皆様と協働して取り組んでいきたいと考えております。

豊田通商株式会社
https://www.toyota-tsusho.com/